みなさんは「ハンコ注射」という言葉を聞いたことがありますか？日本では、特に1970年代から1990年代にかけて、多くの子どもたちがこの注射を受けていました。ハンコ注射とは、主に結核の予防接種で使用された注射方法で、その見た目がハンコを押したように見えることから、その名が付けられました。今回は、ハンコ注射の跡について詳しく解説します。
20代くらいで気になり始めるハンコ注射の跡が消えないのはなぜ？
ハンコ注射の目的
ハンコ注射の正式名称は「BCGワクチン接種」で結核予防のため。1951年にはBCGの接種が義務化され、ハンコ注射による予防接種が全国で行われるようになりました。これにより、日本国内の結核患者数は急速に減少しました。結核は空気を介して感染するため、密集した環境では感染のリスクが高まります。特に都市部では感染が広がりやすく、予防接種は重要な対策の一つとされていました。
現代の日本では、結核の感染率は大幅に減少し、以前ほどの流行は見られません。しかし、結核は根絶されたわけではなく、一部の地域や高齢者層においては感染のリスクが残っています。そのため、今でもBCGワクチンの接種は推奨されています。
現在のBCG接種は、生後5ヶ月以内に行われるのが一般的です。以前のように小中学生がハンコ注射を受けることは少なくなりましたが、幼少期に接種することで結核への免疫を獲得することが期待されています。かつて日本の結核対策の一環として多くの人々に接種されてきましたが、海外からの訪日者が増えたことで、結核予防の重要性は今も変わりません。特に、グローバル化が進む現代において、感染症に対する備えはますます重要になっています。日本国内でも再び結核の予防対策として注目されています。
なぜハンコ注射は跡が残るのに腕なのか。足の裏など見えないところではだめなのか。
基本的には腕の上部、特に肩に近い部分に行うのが一般的。しかし、理論的には、皮膚が適切に露出し、注射を行う部分が十分に清潔であれば、腕以外の部位に施行することも可能です。それにも関わらず腕なのは、実施方法が厚生労働省の指針に基づいて定められており、この指針によると、左上腕の外側に接種することが推奨されているため。（昭和42年３月17日厚生省公衆衛生局長通知に定められている）
日本以外の国々では、必ずしも腕に限定されず、太ももなどに接種を行うこともあります。特に乳児の場合、足に接種する方がケアしやすいとされるケースもあります。国によっては、BCGの接種そのものが推奨されていない場合や、結核が減少したために接種が義務ではなくなっている場合もあるため、接種部位や方法に違いが生じています。
日本でのハンコ注射/BCG接種の現状
日本では、BCGワクチンは生後5ヶ月以内の乳児に対して行うことが推奨されています。これは、乳幼児が結核に感染した場合に重症化するリスクを減少させるためです。また、乳幼児期に接種を行うことによって、結核への耐性を早期に身につけることができます。
20代くらいで気になり始めるハンコ注射の跡が消えないのはなぜ？30代になっても消えない
ハンコ注射の跡が残り続ける理由は？
痕が残るのは主にワクチンの特性や接種方法、個人の体質によるもの。痕がないように見えても小さな瘢痕が残ってはいるが肌の色等によって痕が分かりにく方もいます。
BCGワクチンの接種跡が残りやすい詳しい理由を解説します。
ツバの両端が皮膚に十分つくまで（通常皮膚が５～６mmへこむ程度）管針を強く押して接種する。（図5）参照：乳幼児のBCG接種
「個人の体質によるもの」一般的には、時間の経過とともに跡は目立たなくなることが多いですが、完全に消えるかどうかは個人差があります。特に、接種跡がケロイド状に盛り上がる場合などは、目立つ跡が長く残ることがあります。
「接種方法の適切さ」多くの先生方は１８ヶ所の針跡から出血するような接種をしているようですがこれが間違いでBCG 痕を残さないのではなく、きれいな接種痕を残すようにします。瘢痕が残り易い強すぎる押圧はすべきではありません。出血するような強すぎる押圧は皮内法ではなくてほぼ皮下注になっています。針跡それぞれが小さな潰瘍を形成してくることになります。
中外製薬
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっていますが、真皮の半ば以上まで達した深い傷は、跡が残ってしまう可能性が高い。
ハンコ注射の跡を薄くしたり、目立たなくする方法はいくつかあります。ただし、跡の状態や個人の肌の特性によって、効果には差があるため、完全に消すのが難しい場合もあります。跡を薄くするための具体的な対策としては「レーザー」「ダーマローラー」
ハンコ注射の跡が消える人と消えない人の違いは？
痕が残るのは主にワクチンの特性や接種方法、個人の体質によるもので。痕がない・消えているように見えるのはそう見えているだけかもしれない。接種の際、真皮の半ば以上まで達した深い傷になってしまった場合には、跡が消えない可能性が高く。浅い傷の場合は跡が消えているように見える可能性は高い。